new coronaって
いまどきあちこちからいじめられそうな名前の時計
が
花屋にあります
最先端の名前の割には
ずいぶんと古い時計は
しかし
ただネジを巻いてカチカチ動く
やたら古そうで
面白いという理由だけで
カウンターの前においていたんですが
お盆で寄ってくれた
代々時計をあつかっている
幼馴染みが
これ古いセイコーの時計だとおしえてくれて
少し興味を持って調べたら
どうも
戦前の時計であるらしい
ことが判明
75年以上の時を
ひょっとしたら刻んでいるのかも
戦争も見たかもしれないし
焼夷弾の中を逃げまどったのかも・・・
そんな時を経て
今は
よっこらしょと
横にならないと(今は文字盤を上にして寝かせてある)
正確な時を刻むことは難しくなったけれど
それでもカチカチ
今の時計にはなくなった
心臓がなるような
生きてるみたいな
カチカチと音を立てて動く時計
明日からお盆ですが
鬼籍に入った誰かが
手に入れた
時計の
出自を知ることはもうできないが
今も
カチカチと
それはもう気持ち良い時を刻みながら
未来の
ひょっとしたら
まだ見知らぬ誰かの机の上で
カチカチなっている
そんな姿を
想像させてくれた
お盆と時
永遠なようで短い時
この古時計が
過去も
未来へも
一時
連れて行ってくれたような気がした
そんな
今日の
ふとした一時
だったのでした