BOOK

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Full Moon
夕方また雨が降って
とりあえず気温は下がったけれど
今度はむしむしとする
なかなか秋のさわやかな気温とはいかないようだ
「散るぞ悲しき (硫黄島総指揮官・栗林忠道)」梯 久美子
なかなかに重い重い話
そして、この時代にこんなにも実直で有能で優しい軍人がいたのかと思うのですが
同時に話には現れないが見えてくる
この時代の戦争を起こした人間たちの愚が
今、現代の主導者たちの愚さえもあぶりだしてみせる
第二次世界大戦末期
わずか半日で歩いて外周をまわりきれるような小さな島「硫黄島」
アメリカ軍は5日で制圧できると臨んだ上陸作戦は
その後35日間にもわたっての凄惨な戦いが続き
双方2万人以上の死傷者を出した島
ほとんどがプロの軍人ではない日本の2万の兵が
戦争遂行者から見捨てられていることも知らず
ただひたすら
家族や友を守るために
最後まで生き戦い抜いた島
自決を許さず
生きぬいて戦い抜くことを身をもって実践した
栗林中将の渡島後40通の家族への手紙を通して語られる
平和への思い
あらためて
どんなに愚人の政治家の世でも
いまが平和であることの救いがあるような
そんなレベルの低い安心感に浸かっている自分も愚だな~と思える
とてもとても重たい一冊です
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