BOOK

110806
江戸時代
あるいは江戸のまち
を描く小説というのは
こちらが住んだこともないのに
まるで住んだことがあるかのような実感がともなうのは
不思議
それはどの創作ものでも実録っぽいものでも
ほとんどかわりはなく
ちょっと江戸へ行ってくるわ~
帰ってきたわ~って
いったり来たり出来るタイムトンネルみたいな感じなんですね
とはいえ
面白いかつまらないかは作家のうで一つ
当たりもハズレもありますが
このひとのはいつもはずれることがない
ほんとに普通の小江戸庶民の男女の物語は
でてくる男はみななんとも滑稽でちょっと哀れで
女をけっこう悲しませたりして
馬鹿だな~って思える男ばかりなのに
結末はみょうに悲観的ではなく
少しホッとさせられる短編ばかり
そういえばこんな男女の話は
現代にもあたりまえにあるな~
何度も行ったり来たりして
それでも少しも疲れず楽しめた一冊でした
「驟り雨」藤沢周平

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