BOOK

120211
「母」 三浦 綾子
読んだことはないけれど
たまに目にしたり耳にしたりする
「蟹工船」という小説を書いた小林多喜二
その母がひとり語りをするという形で進む小説
おばあちゃんが囲炉裏端で昔話を聞かせる感じで
自分のほぼ一生を語る
テーマのほぼ中心を占める
戦前の時代の
この家族を襲う暗く重い出来事も
この語りで進められることで
聞き入ってしまう
それでも彼女の周りを彩る人々はみな優しく明るい
彼女の優しい眼差しがそう見えさせるのか
読み終えても
やや切ないものの
少しのさわやかさと
いとおしさが残るのです

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