BOOK

120706
「永遠の0(ゼロ)」百田 尚樹  講談社文庫
ひょんなことから
第2次大戦末期に特攻で亡くなった祖母の前夫 宮部久蔵 のことを調べることになった姉弟
(今は亡くなってしまったが祖母には戦後結婚した夫が生きている。義祖父)
それは、祖父を少しでも知る当時の生き残りの人たちを訪ね
それを本人の口から語ってもらうという形式でつづられる
それぞれの口から語られる当時のことは
長大な資料を調べ
緻密に練り上げた筆者の懇親の語りともとられ
一種迫力を持って伝わり
現代にも通じる当時の上層部の人間のおろかさにあきれ
読み進むうちにどんどん怒りがこみ上げてきてこまってしまった
本編の前に読んだ解説の故 児玉清さんが
「僕は号泣するのを懸命に歯を食いしばってこらえたがダメだった」
というのは最初読み進むうちは
そこまででもないだろ~と思っていたのが
やがて最後の語り部となる
祖父とは面識がないと思われた義祖父から語られる
祖父のほんとうの真実が語り進められるにつれて
なんかこう泣きを我慢するうちに
胸とかが痛くなってきたりして
義祖父の語りはこれまでバラバラだったすべての話を
一点に集めて
ストンと見事に落としてくれて
その時どっと涙が不覚にも流れ落ちるのです
そして最後のたった5ページのエピローグは
おそらく祖父の最後の姿を
米軍の船側の兵士から語られ
不思議とすがすがしい気分にさせてくれて
それがまたいいのです
こんなに重くて泣けて痛快な本は久しぶりです
出逢いに感謝です
そしていままた読み返しています
ちなみにゼロとは ぼくら世代は確実にあこがれた
ゼロ戦 零式艦上戦闘機のことです
プラモがほしくなりました
それも21型が^^

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